元アメリカ情報機関で働いていたアメリカ空軍の退役軍人であるデイヴィッド・チャールズ・グルシュ氏による「政府が極秘のUFO墜落回収プログラムを持っており、人間以外の起源を持つ機体や、場合によってはそのエイリアンのパイロットを回収してきた」という衝撃の内部告発はアメリカ国内で大きな反響を得た。
彼は国家地理空間情報局(NGI)の未確認飛行現象(UAP)分析の上級技術顧問、および国家偵察局の上級士官を務めていた経歴を有している人物でもあったため、その証言には一定の信憑性があると思われたこと、また彼に同調して証言する元軍人らが出てきた事もあり、彼の内部告発はアメリカ議会をも動かす結果となった。
しかし、グルシュ氏によるUFO関連の内部告発に、誰もが感銘を受けたわけではない。20年以上SETI研究所の上級天文学者を務めているセス・ショスタック氏は最近MSNBCに寄稿したテキストの中で、「エイリアンに関する話題には精通しているが、裏付けとなる証拠が明らかに不足している」として、7月26日に下院議会で開催された公聴会でのグルシュ氏の主張を批判している。
グルシュ氏はUFOを見た、あるいはUFOに傷つけられたと主張する何十人もの目撃者と面談し、アメリカ政府がリバース・エンジニアリングの目的で地球外由来の物体を 何十年にもわたって回収してきたと主張している。「しかし、その証拠はどこにあるのか?」とショスタック氏は当然の疑問を呈する。
「グルシュ氏も、政府の秘密UAPプログラムについて知っていると主張する他の誰も、『エイリアンの技術』を示す説得力のある写真等の物証を公にすることができなかった。もしこのような物体の証拠があるのなら、それを研究しようとする科学者は後を絶たないだろうし、権力者は喜んでそれを研究用に提供するだろう。
地球外テクノロジーをネバダ州の基地(※エリア51)の格納庫に隠すことに何の意味があるのだろうか?存在が判明した時点で、科学界を締め出すことに何の意味があるのか」と彼は主張している。
グルシュ氏の内部告発について、科学者から反論があったのはこれが初めて。こういった反論にグルシュ氏はどう対応していくのか、気になるところだ。
(飯山俊樹 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 ウィキペディアより引用
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