地球に一番近い惑星、火星。地球より小さいこともあり、重力は弱く空気も希薄であるが、極地に氷が存在する事やかつて生命がいたと思われること、太陽系の中で生命が存在できる可能性のある位置にあること等から、今も「火星の生命体」に関する議論は活発に行われている。
勿論、現在の火星の環境では生命が存在できるはずはないのだが、それでも探査機から送られてくる映像に、生命体や構造物らしきものが発見されて話題となる。
アトラスでも度々紹介しているが、それらの大半は画像送信時のノイズや岩などが光の加減で生物のように見えてしまったような、偶然の産物と見られている。
しかし中にはそうも言い切れない、謎の物体も存在しているのである。
通称「火星の木」「火星の植物」と言われているものがこちらだ。砂漠のような赤茶けた火星の地表に、黒い筋状の何かが並んで立っている。よく見ると上部は枝分かれしているように見える。色こそ黒一色だが、シルエットや並び立つ様子が似ているため「火星の木」と呼ばれているのだ。一説には鉱物が露出したものであるとも見られているが、未だ正体は不明となっている。
この「火星の木」は火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービター(略称MRO)の高解像度カメラHiRISEにて撮影され、地球に送られてきた画像で確認されたものである。MROは火星の地表ではなく、軌道上で周回しながら画像を常に配信し続けている。
MROによって送られてくる画像は非常に鮮明であり、火星で起きる気象現象や地形の謎を解き明かすのに一役買っている。しかし、それ故にこの全く正体の解らない「火星の木」は火星でひときわ謎めいた存在となっているのである。
画像URL
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