妖怪・幽霊

マレーシアの不動産会社、「物件に幽霊が出ない」ことを証明

幽霊が出ると噂の事故物件や曰く付き物件は世の東西を問わず多数存在するが、マレーシアの不動産会社が幽霊が出るという疑惑を払拭するために、超常現象研究グループにわざわざ調査を依頼し、実際に「霊が住み着いていない」ことを証明するという事件が起きていた。

6月末、マレーシアの不動産会社KL(クアラルンプール)セランゴール・レロング・プロパティーズは自社のフェイスブックのページにて、「幽霊退治を任務とする超常現象調査団体」による調査結果を公開するという驚きの報告を行った。ゴーストバスターズのロゴがヘッダーとして大きく描かれたこの証明書には確かに「数件の報告がありましたが、超常現象の痕跡は確認されませんでした」と記されている。

不動産会社によれば、この会社が所有しているとある物件で住人から超常現象が起きているという報告が多発。事故物件もとい幽霊屋敷を扱っていると噂が立っては商売にならないと考えた企業は実際に超常現象調査団体に依頼して、「幽霊がいないか」証明しようとしたのである。




超常現象調査団体は、住民らが超常現象と感じたかもしれないこの家で起きていた怪現象についても検証を行っている。例えば照明の奇妙な明滅はおそらく配線の不具合によるものであり、ドアが勝手に開閉したのは風のせい。不気味な音は野生動物の鳴き声かもしれない、と団体は説明している。

このようにきっちり検証が行われたことで、これから物件を買う人も安心できる……かと思えばさにあらず。調査が1日だけだったことから、本当に家に幽霊がいないとは言い切れないという反論も出てきているため、団体側は現場に「小さな実験室を設置」し、さらに15日間観察する必要があるかもしれないと語っている。

また、団体の合理的な説明はこれから問題の物件に入居する人を安心させるものだったかもしれないが、一方でこの住宅の欠陥---配線の不具合、ドアの立て付けが悪く隙間風が吹いていること、また敷地内に野生動物が入り込む事が多いこと---を証明してしまっているため、かえって購入者がいなくなってしまうかもしれない、と言われているそうだ。

(勝木孝幸 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

Andrew MartinによるPixabayからの画像