事件

ジョージア・ガイドストーンの破壊から一年…犯人や動機は依然謎

昨年の7月6日、アメリカのジョージア州に存在する奇妙なモニュメント「ジョージア・ガイドストーン」が何者かによって破壊された。ジョージア・ガイドストーンは同州エルバートンの町に、1980年に匿名の個人によって設立された謎だらけの記念碑だ。

4枚の巨大な花崗岩板に8カ国語で10の「ガイドライン」が刻まれており、「自然との永久的なバランスを保ちながら、人口を50万人以下にする」といった不穏な文面から、ある種の新世界秩序の意図によって建造された等、長年にわたって陰謀論と共に語られてきた。

しかし昨年7月6日、巨大な爆発によってガイドストーンは倒壊してしまったのである。事件から数時間後には悪意ある人物が何らかの爆発装置を使ってガイドストーンの柱の1本を瓦礫にし、連鎖的に崩れてしまったことがすぐに判明した。その後、ガイドストーンは安全性に問題があると判断され、翌日にはすべて解体されてしまった。

しかし、肝心の犯人の正体は依然として不明である。ジョージア州捜査局が公開した映像には、何者かが柱の1つによじ登り、爆弾を仕掛けてから車で走り去る様子が映っていたが、犯人の身元の特定には至っていない。事件から1年を迎え、当局は依然としてこの事件について捜査中であることを明らかにしているが、現時点では容疑者はいないようだ。

エルバート委員会のリー・ヴォーン委員長は地元メディアの取材に対し、「当局はすべての手がかりを使い果たしたようだ」と述べており、かつて人気のあった観光名所が破壊されたことで、当然のことながら地元を訪れる観光客が大幅に減少したことを嘆いている。しかし、未だに現場を訪れる人もいるようで、かつてガイドストーンが建っていた土地の所有者は地元テレビ局の取材に対し、「小さなシャベルと紙袋を持って、ガイドストーンの小さな瓦礫を拾っている人を見かけますよ」と語っている。




爆発事件の後、地域社会ではガイドストーンを再建すべきかどうかの検討と議論がなされた。しかし町側も、昨年8月にギドストーンズの残骸を受け取ったエルバートン花崗岩協会も再建には特に関心を示さなかった。1年経った今、この地域に住む多くの人々の間ではガイドストーンはすでに無くなったものという認識が一般的なようだ。事実、エルバートンの住民からは「もう事件は終わったようなものだ」「なんとなく沈静化した。誰もあまりそのことを話題にしなくなりました」というコメントが寄せられている。

ガイドストーンの復活を望む人々がいないわけではないが、支持者が極めてすくないことから再建の可能性がかなり低いことが示唆されている。万に一つの確率でガイドストーンの再建計画が立ち上がったとしても、ガイドストーンが建っていた土地は既に売却されており、そう遠くない将来にその土地に家が建てられる予定だという。

このように、ある人々には愛され、またある人々には嫌われる風変わりな記念碑ジョージア・ガイドストーンズの物語は、当局がこの記念碑の破壊の謎を解明しない限り、ほぼ終わりを迎えることになりそうだ。

(勝木孝幸 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像&動画 11Alive / YouTube

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