有名なホラー作家スティーブン・キングは、アメリカのコロラド州エステスパークにあるスタンリー・ホテルでの滞在中、ホテルで起きるという様々な超常現象に衝撃を受け、自著『シャイニング』に登場するオーバールック・ホテルのモデルにしたという。
スタンレー・ホテルは発明家のフリーラン・オスカー・スタンリーが1903年にエステスパークの谷間に到着したとき、山の空気が結核の症状を和らげることを発見したことに始まる。彼と妻のフローラ・スタンリーは、友人や他のゲストをもてなすために、自宅兼ホテルを建造し1909年に正式にオープンした。1917年までには、エステスパークという小さな集落は正式な自治体となったが、町の発展はスタンリーと彼のホテルによるものだった。
さて、スタンリー・ホテルでは歴史を通じて幽霊の出没が報告されており、ホテルの創業者であるスタンリー自身の幽霊もホールを徘徊していたり、ホテルのバーにいるところを目撃されている。彼の妻の幽霊の目撃情報もあり、たいていはボールルームでピアノを弾いている姿だという。従業員や宿泊客は、この部屋からピアノの音が聞こえたり、鍵盤が動くのを見たりしたと報告している。
407号室には、スタンリー以前にこの土地を所有していたダン・レイヴン卿が憑いていると言われており、予約が入っていないときでも、窓から彼の顔が覗いている様子を見たという宿泊客もいるそう。418号室には子供たちが憑いていると言われ、その笑い声が廊下から聞こえてくるという。前述したスティーブン・キングは217号室に宿泊したそうだが、この部屋には小さな男の子の幽霊が現れると言われており、彼は乳母を呼ぶ子供の幽霊を見たと伝えられている。
このホテルの長い歴史の中では原因不明の不気味な事故も何度か起きているという。創業から2年たった1911年6月25日、このホテルの客室係長だったエリザベス・ウィルソンが火のついたロウソクを持って217号室に入ったところ、ろうそくがガスに引火して大爆発が起こるという事件が起きた。この爆発ではホテルの約10分の1が破壊され、ウィルソンは昏睡状態に陥った。だが幸いにも彼女は奇跡的に回復し、1950年までホテルで働き続けたという。しかし彼女は亡くなってもまだホテルで働いているそうで、217号室に宿泊した何人かの宿泊客によれば、目が覚めたときには部屋が整頓され、スーツケースがきちんと整理されていたという証言もあるとか。
更に人間の幽霊だけでは物足りないのか、敷地内にあるペット墓地から、ホテルのオーナーが長年飼っていたペットの幽霊も出てくるという。その中にはキャシーという名のゴールデンレトリバーとコマンチという名の白猫がおり、敷地内、廊下、客室の至る所で目撃されているそうだ。
ちなみに宿泊客は館内で最も幽霊の出やすい部屋を巡るゴーストツアーに申し込むこともできる。幽霊が出る部屋だけでなく、部屋の中にあるクローゼットの中に入る事もできるとか。日本でもこのホテルに宿泊した人は多いので、海外旅行を計画している人はこのホテルに泊まってみてはいかがだろうか。
(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
Photo credit: andrusdevelopment on VisualHunt.com
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