先週末の7月7日午後8時23分ごろ 、千葉県にて東方沖付近を震源とする地震があり、千葉県の内陸部で最大震度5弱を観測。関東地方の広い地域で震度3以上の揺れとなった。
土曜の夜8時台という多くの人が家にいる時間に発生したこの地震は、関東近辺に住む多くがパニックとなったようだ。各テレビ局が速報で地震を伝えるなか、NHKでは放送中の番組を一時中断し、震源地にほど近いNHK千葉放送局と中継を実施した。
現地からの最新情報を放送したのだが、その際に登場したのはいつも見慣れているスーツ姿のアナウンサーやニュースキャスターではなく、メガネにヒゲ、Tシャツという出で立ちの謎の人物だった。
この人物は「千葉放送局の五十嵐です。地震発生当時、千葉局にはディレクターの私ひとりしかいませんでした」と自ら説明し、局内にたまたまいた五十嵐ディレクターがアナウンサーの代わりに出演している旨を語った。五十嵐ディレクターは落ち着いた口調で地震発生時の様子を喋りはじめ「最初は小刻みだったが、次第にゆ~らゆ~らと揺れはじめた」、「電話を取ろうと思ったら目眩がしたようだった」と自分の体で感じた事柄も含め、的確に視聴者へ伝えた。
Tシャツ姿のディレクターがまさかのアナウンサー顔負けの冷静なレポートを行ったことに対し、放送直後、ネット上では五十嵐ディレクターに対し「ディレクターの鑑」「すごいわかりやすいレポートだった」と大絶賛。また、この五十嵐ディレクターはフルネームを「五十嵐鐵嗣雅(いがらし てつや)」という超難読名であったため、ネットで検索する人も多く、一時的ではあるが「五十嵐ディレクター」はTwitterの話題のトレンドにも選ばれていたようだ。
また、詳しい内容は公開されていないため不明であるが、千葉放送局を含むNHKの地方放送局は常に人員が足りていないという事情もあり、局の全職員は緊急時にいつでもアナウンサーの代わりができるようアナウンス技術を訓練しているという。
五十嵐ディレクターの冷静なレポートは「日々の訓練」の賜物だったのかもしれない。さすがNHKである!
(安坂由美彦 ミステリーニュースステーション・ATLAS編集部)
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