サブリミナルという言葉がある。連続する映像に、認識できないほど短い時間で無関係な映像を紛れ込ませ、ある一定の情報を見る者に刷り込む行為である。
都市伝説としては、映画館でコーラとポッポコーンのサブリミナル映像を混ぜて放映したところ、コーラとポップコーンの売り上げが飛躍的に伸びたという話がよく聞かれる。だが、この逸話は単なる作り話であることがわかっている。
この「サブリミナル映像」が用いられ、実際に放送されたというケースがある。
その中には、本日死刑が執行された松本智津夫こと麻原彰晃が教祖として率いていたオウム真理教が関わっているものもあった。
オウム真理教事件のとき、アニメ「シティハンター」の映像に、麻原の映像が紛れ込んでいたことは有名である。具体的に言うと「シティハンター3」の放映時に、関係の無いシーンで一瞬だけオウム真理教の当時代表であった麻原彰晃の顔が挿入されていたのだ。
スタッフに紛れ込んだ在家信者による、日本国民へのサブリミナル戦略ではないかと言われたが、実際はスタッフのお遊びであったらしい。
ちなみに問題の映像の他にも様々なマンガなどのワンカットが隠されていたそうで、他のアニメでもお遊びとして無関係な画像が差し込まれる事は時々あることだったという。しかし、後にオウム真理教の犯罪性が明らかになるにつれ、画像を差し込んだことが注目されることになった。
実際にサブリミナルはどの程度効果があるものなのだろうか。
研究者によっては、一種のマーケティングと消費者心理を利用してそれっぽく見えただけ、という説も出ているため、現在では効果を疑問視する声の方が大きいようだ。
(山口敏太郎/勝木孝之 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)