6月17日日曜日のお昼に日本テレビ系列で放送された『出張!加藤浩次の1億総コメンテーター ~今のニッポン、どーなのよ!~』が一部視聴者の間で話題となっている。
この番組は『スッキリ』などの情報番組のMCを勤める加藤が、街頭の人々97人から忖度のないリアルな意見を聞き出すバラエティ番組で、加藤本人がアシスタントも一切つけずに街へ出てリポーターとなったことが見所となっていた。
本番組では取り上げるテーマとして「セクハラ」および「謝罪会見」の2つが選ばれたのだが、とりわけセクハラ問題が社会問題として取り沙汰されている昨今のテレビ番組では「出演してはいけない人物」がインタビューを受けていたと話題になっている。
番組では、中年サラリーマンの聖地である、新橋の飲み屋でインタビューが行われたのだが、インタビューを受けた会社役員を名乗る男性のひとりが、セクハラが多発する今の社会について「(今の社会は)人間関係ができてないから」との持論を展開。さらに、この役員はタクシーなどで女性社員と一緒に帰る際には、必ず自分の肘を相手女性の胸に押し付けるなどのセクハラ行為をするというエピソードを自慢げに紹介していた。
この明らかな犯罪まがいな行為に対して、普段は無頼派で知られる加藤もさすがに「いや、それはダメでしょ!」とツッコむが、この自称会社役員は酒が回っていたこともあり「いやダメじゃないよ」「相手が訴えなければいい」「相手が嫌がってなければ問題ない」と断言。加藤も半ばあきらめて「相手が嫌がってないなら問題はないんでしょうが…」と笑っていたが、その表情は完全に引きつっていて、取材を終え店から出ると「50代以上の男性がセクハラで訴えられる理由がわかった気がした」と呆れ顔だった。
この内容に一部ネットでは「うわ!ひどい」「品位を疑う」「完全にテレビ出しちゃダメな人じゃん」といった意見が相次ぎ、一時的に炎上してしまったという。
この番組は「街頭の人々から忖度のないリアルな意見を聞き出す」がテーマであり、会社役員の男性の意見も確かに「忖度のない意見」のひとつではあった。しかし、セクハラという昨今特にデリケートな問題であったために、結果として視聴者から叩かれることとなってしまったようだ。
やはり人間、「忖度」も時には必要なのかもしれない。
(文:パンダ・レッサーパン・ダグラフ ミステリーニュースステーション・ATLAS編集部)
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