【都市伝説】夢を叶える祈祷(1)・捨てられない夢





ある地方に住んでいたYさんは、歌手になるという夢を抱きながらも難しい選択を迫られていた。

彼女はある土着の神を信仰する祈祷主の家に生まれ、本来であれば巫女として、家を継がなければならない身であった。だが、幼い頃から抱いていた夢はどうしても捨て去ることが出来ず、家を継ぐべきか、夢を追いかけるべきかその二つの選択の間で思い悩んでいた。

当時、Yさんは高校3年生。卒業までにその進路を決めなければ行けなかったのだ。そんなある日、Yさんは憧れていた女性ミュージシャンAのライブを見に行った。純粋にライブを楽しみたいという思いもあったが、一方でプロのミュージシャンのライブをこの時期に見ることで、今の自分がどう感じるのか試したみたいという思いもあった。




プロとの実力の差を感じ夢は諦めるべきだと感じるのか、それとも時分にも出来るはずだと思うのか、進路に思い悩むYさんは、どちらにせよそのライブがきっかけになるのではないかと感じていたのだ。

小学生の頃からAのファンだったYさんは、既に何回も彼女のライブに足を運んでいた。だから、彼女がライブで歌う姿はもう目に焼き付いているはずだった。だが、今回のライブは今まで観に行った中でも一番素晴らしく、Yさんは彼女の表現力に圧倒され、今まで味わったことのない感動を覚えた。

そんなライブを体験し、Yさんは彼女の見ている世界を自分の目でも見てみたいと強く思うようになり、歌手になる夢を追いかけることに決めた。

父親に胸中を打ち明けると、散々な言われ方で家を継ぐよう説得された。




「お前には歌手になれる才能なんてない!そんなくだらない夢など捨てて、早く巫女になるための修行をはじめろ!」

ひどい言い方で夢を否定され、Yさんは覚悟していたとはいえ傷つき、涙を流しながらこう反論した。

「絶対に家業は継がない!私は歌手になる夢を追いかけるってもう決めたの!お父さんになんと言われようと私は自分の選んだ道を行くわ!」

そう言ってその場を離れ、さっさと身支度を始め、Yさんは実家を出た。

(※続く)

(監修:山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©PIXABAY

 

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