江戸時代の絵師、鳥山石燕の「画図百器徒然袋」にて紹介されている妖怪。
経凛々は長く所々が敗れた経文が幾つも繋がった姿をした経文の妖怪である。一部が破れて顔や手足を型作り、左手には僧侶が読経の際に鳴らす鈴を手にしている。
解説文によれば、この経凛々はただ古くなった経文ではなく、かの弘法大師空海と法力を競い合った守敏僧都の使っていたものだという。
お経といえば法要などで読まれるありがたいものであるが、持ち主にやましい心があったり、呪詛のために用いられれば毒と化して持ち主へ返っていく、と添えられた文章に書かれている。
経凛々も、嘗ては尊い経文だったものが今は呪詛の言葉を吐き続けているのかもしれない。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 ウィキペディアより引用