とんでも事件

【昭和の珍事件】渋谷の住宅街に「謎の生物」!年齢…なんと、300歳? 

当時の少年たちがド肝をヌかれた、あの「仮面ライダー」がNET(現テレビ朝日)で放送開始された同じころ、東京都の住宅街に「謎の爬虫類が現れる」という奇天烈な事件が発生していた。

1971年4月18日、渋谷区西原(代々木大山公園近く)に住む運転手のAさんが自宅の車庫へ車を入れようとしたところ、路上に何か黒い物体が見えた。最初は猫か犬かと思ったAさんだが、気になって車から降りてみたところ、黒い物体は1メートル近くもあり、ウニョウニョとうごめいていた。




(うわぁ!)腰を抜かさんばかりに驚いたAさんは代々木署へ110番した。

「もしもし路上にワニが現れました!」

Aさんからの電話を受けた警察官が慌てて現地に駆けつけると、路上には大きなナマズに手足が生えたような化物の姿があった。

「なんだこいつは!」

見た目、少なくともワニではないことを確認した代々木署員は勇気を出してこの謎の怪物をダンボールに入れて捕獲。代々木署へ持ち帰ることに成功した。

さて、持ち帰ったはいいが、このグロテスクな生物の正体について署内の偉い者から下っ端まで雁首揃えても正体は皆目わからない。そして喧々囂々の議論の末、ようやく導き出した答えが「山椒魚(サンショウウオ)のお化け」だったという。

実は1971年当時、東京では天然記念物である「オオサンショウウオ」はたいへん知名度の低い生物だったようで、国内でも岡山県や兵庫県、愛知県などごく限られた地域にしか生息していないことから、代々木署員もまさかこの黒い生物がオオサンショウウオとは思いもつかなかったのである。

さて、オオサンショウウオどこから現れたかというと、発見された現場から200メートル先に「日本観賞魚研究所」という施設があり、そこから逃げ出したものだった。




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研究所の職員によると、このオオサンショウウオ中国は揚子江の上流で捕獲された「チュウゴクオオサンショウウオ」を取り寄せたもので、推定300歳だったという。(しかしながら、オオサンショウウオの寿命は長くても80年くらいだと後に証明されているため、さすがにこの説は誇張であったようだ)また価格は当時で10万円以上という「超VIP」な生物だということが判明した。

なお、このチュウゴクオオサンショウウオは管理していた研究所の職員が「また逃げ出すと困るので…」という理由で、とある動物園へ寄贈され今も元気に暮らしているという。

果たして彼(彼女?)は今から40年以上も前に渋谷の住宅街を散歩し新聞沙汰になったことを覚えているのだろうか…。

(文:穂積昭雪  ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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