有袋類を中心とした独自の生態系が存在するオーストラリア大陸。代表的なものとして思い浮かべるのはコアラやカンガルーだろう。一部は絶滅危惧種になっているものもあるが、生息地付近では住宅地近辺に現れる事もある。
2015年5月23日、オーストラリアのクイーンズランド州ブリスベンにて巨大カンガルーが目撃されるという事件が起きた。普通のカンガルーは大型のハイイロカンガルーやアカカンガルーでもで150〜160センチ程度なのだが、このカンガルーはなんと身長2メートル近く、体重は95キロ以上はあるのではないかと思われる巨体だったという。問題のカンガルーの姿は付近の住民が写真の撮影に成功しており、体は大きくても草食動物だったからなのか、この人物が連れていた飼い犬に怯えている様子だったという。結局このカンガルーは程なくして住宅街から離れたようで、人が襲われたりはしなかったようだ。しかし巨体と発達した筋肉を備えていたため、人間におびえて反撃してこようものなら、相当な事態が起きていたに違いない。
さて、実はオーストラリアには他にも巨大カンガルーの目撃証言が存在している。それも、今回報道されたカンガルーより更に一回りは大きい、普通のカンガルーの倍の3メートルはあろうかというサイズのジャイアントカンガルーだ。
1978年、自然学者のデビット・マッキンリー氏が愛犬とともにパース近郊の藪の中を散策していたところ、突如巨大なカンガルーが目の前に現れた。身長は普通のカンガルーの倍ほどもあり、胴回りも人間の二倍の太さで、前足は人間のすねよりも太く8センチの爪があったという。
彼はたまたま手にしていたカメラで撮影に成功したのだが、その直後巨大カンガルーは前足を広げる威嚇のポーズで近づいてきて、前足で引っ掻いたり足に噛み付いてきたという。しかし、彼の連れていた愛犬が反撃し、カンガルーは逃げていったそうだ。
この巨大カンガルーについては、既に絶滅しているカンガルーの先祖、ステヌルスやプロコプトドンは身長が3メートルはあったと言われており、特にステヌルスはオーストラリアに白人が入植し始めた頃にはまだオーストラリアに生息していたという。なお、ステヌルスはその巨体故、現在のカンガルーのように軽快に跳ねて移動することは出来ず、歩行して移動していたとみられている。
1978年に目撃された巨大カンガルーはステヌルスの生き残りだったのだろうか。もしかすると、2015年に目撃された2メートルのカンガルーも、古代の巨大カンガルーとのあいのこだったのかもしれない。
(ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)