5月9日に放送された『1周回って知らない話』(日本テレビ系列)にて、テレビアニメとして今年放送30周年を迎える『それいけ!アンパンマン』が特集された。
番組では芸能界屈指のアンパンマンファンおよび担当声優陣や長年アンパンマンを支えているスタッフが総出演。「アンパンマンの作画はベテランスタッフでも見本をみないと描けない」「ひとつのキャラクターを制作する期間は1ヶ月」などの実に面白い裏側が紹介された。
またスタジオではアンパンマン役の声優・戸田恵子やばいきんまん役の中尾隆聖らよる実演アテレコも披露されたのだが、その際の「さりげない気遣い」が小さい子供を持つ親世代の視聴者から拍手を以て迎えられたという。
戸田ら担当声優は、アンパンマンやカレーパンマンの声色で、自己紹介を行ったのだが、キャラクターの演技を行うときは必ず後ろを向いたり顔を隠すなどしていた。これは「アンパンマンを観ている小さい子供たちが混乱しないように」という配慮の元で行われた振る舞いのようだ。このことに対してアンパンマンファンの子供を持つ親世代から絶賛の声が相次いだのだ。
アンパンマンは以前、ドキンちゃん役の声優、鶴ひろみさんが亡くなった際、バタコさんを演じていた佐久間レイが子供が混乱しないようにとドキンちゃんの完璧な代役を勤めたなどの逸話があるなど、常に子供に対して真摯な対応を行っているアンパンマンチームだからこそできた気遣いといえよう。
もっとも、これらの対応ができた背景には以前、アンパンマン役の戸田のある「悪ふざけ」が影響しているのではないかとの話もある。
『ショムニ』や『ちゅらさん』など顔出しの女優としても活動する戸田は以前、自らが出演したフジテレビドラマ『お水の花道』(1999年)の番宣番組において、「やあ!ぼくお水のアンパンマンです!」というアンパンマン関係者が聞いたらまず激怒しそうなお遊びネタを披露したことがあった。
すると、やはり日テレサイドから叱責をされたのだろうか、その後の戸田は顔出しでアテレコ出演する際は今回のように意図的に顔を隠すなどの配慮を行うようになったという。
いくら夜の番組だったとは言え、「お水のアンパンマン」は洒落で済まなかったが大きな教訓となったようだ。
(文:江戸前ライダー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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