妖怪・幽霊

世代を超えて、出続ける幽霊と怪異…英国最恐の幽霊屋敷「ボーリー牧師館」(3)

言い伝えの尼僧の霊が出現!…英国最恐の幽霊屋敷「ボーリー牧師館」(2)より続く

1892年にヘンリー・ブル牧師は死去し(不可解な形で急死したとも言われている)、息子のハリー牧師が館を継いだ。すると、父の代の頃よりも頻繁に霊の姿を目撃するようになった。

ハリー牧師の兄妹たちが廊下で滑るように移動する老いた尼僧の姿を見ており、声をかけると消えてしまった。その中のひとりエセルは自分の部屋でも霊に遭遇しており、知らない男がベッドの側に度々現れるようになった。




ハリー牧師も幽霊馬車が走っているのを何度も見ており、さらには首の無い騎士も出没するようになった。

こんなこともあった。ある日、ハリー牧師が庭にいると、飼い犬が急におびえたように吠えたてた。吠えている方向を見るとそこは果樹園で、低木のところに誰かの足が見えた。

ハリー牧師は泥棒だと思い、捕まえようと近寄って行った。その人物は裏門の方へと向かって行ったが、果樹の列が途切れたところでそれが人間ではないことに気がついた。

その人物には胴体から上がなく足だけだった。足は閉まったままの格子状の裏門をすり抜けて外に出て行ってしまった。

ハリー・ブル牧師は1927年に死亡し、翌年にガイ・スミス牧師夫妻が館に引っ越して来た。新しい一家が住み始めても、怪現象は止まないどころかますますひどくなった。




館の中をスリッパをひきずって歩くような音が聞こえるなどの小さな異変に始まり、スミス牧師が礼拝堂に行こうとすると「やめて」という声が聞こえたり、誰もひいていないのにオルガンがいきなり音を発したこともあった。

ある嵐の晩に、玄関のベルが鳴った。だが、スミス牧師が玄関に行ってみても誰もいない。部屋に戻ると再びチャイムが鳴る。それが何度も繰り返された。さらには、部屋の全ての鍵が消えてしまったり、電球が点滅を繰り返す、窓が勝手に割れるなどのポルターガイスト現象も起きるようになった。

あまりにも怪現象が続くため、スミス牧師は「心霊現象研究協会」に調査を依頼することにした。

(※続く)

(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©wikipedia Henry Dawson Ellis Bull ヘンリー・ドーソン・エリス・ブル牧師(1892年)