生き埋めにされた尼僧と修道僧の霊…英国最恐の幽霊屋敷「ボーリー牧師館」(1)より続く
ヘンリー牧師が購入した、かつて領主の屋敷として使われていた屋敷のあった土地にはこのような伝説が存在していた。
「尼僧と修道僧が恋仲になり駆け落ちした。しかし二人は捕まり、処刑されることになった。その処刑方法は残酷で、レンガを積まれ生き埋めにされた」
あくまでも伝承である。その話を聞いてもヘンリー牧師の意志は変わらなかった。彼には16人もの家族がいて広い家を必要としており、そこはうってつけの場所だったのだ。
数ヶ月かけて作られた館はレンガ作りのしっかりとした、35の部屋と広い庭を有する立派なものであった。これで腰を据えて聖職に励む事ができる。ヘンリー牧師はそう思ったことだろう。
だが、一家が住み始めた当初から奇妙な現象が起き始める。家の中に家族ものではない足音が聞こえるのだ。
関連動画
Borley Rectory
しばらくして、2階の客間に頻繁に霊が出ることもわかった。そこに宿泊した客人からこんな話を聞かされることになったのだ。
「深夜に目が覚めましたのですが体が動かなかったのです。体の方を見てみると、私の体の上に老いた尼僧が乗っていたんです。あまりの恐怖に気を失ってしまいました」
さらに不可解な事態が起きる、飼っていた猫が次々と急死してしまい、その数は36匹にものぼった。どういうわけか他の動物にはこのようなことは起きず、猫だけが急死したという。
怪異に悩まされたハリー牧師は心霊研究家に調査を依頼することにした。やってきたホリングスワース博士は実際に霊の姿を目撃することになった。
深夜、庭で調査を行っていると、敷地の外から屋敷の方へとやってくる尼僧の姿を見た。博士はすぐにそれが人間ではないことがわかった。
その人物は壁を通り抜けて館の中へと消えてしまった。館の反対側ではもう一人調査に当たっていた人物がいたのだが、その直後、館の外壁から尼僧がすり抜けて出て来るのを見ることになった。尼僧は宙に浮かび上がると、二階の部屋に吸い込まれるように消えていったのだという。
まさに、伝承にあったとおりの幽霊であった。
(※続く)
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像©Wikipedia