今や誰でも知っている目の視力補強用の器具「コンタクトレンズ」。
その歴史は意外に古く、なんと原型の研究は今から200年(1823年)ほど前に遡る。その後、約70年あまり研究が進み1892年に試作品が完成。1911年に製品化されている。
日本への上陸は時期は不明だが、戦後(1945年以降)になってからだという。事実、1948年(昭和23年)11月27日の朝日新聞には「新型ハメコミ眼鏡」というネーミングで、コンタクトレンズを紹介する記事が掲載されている。
1948年の時点でコンタクトレンズはイギリスはロンドンで早くも普及していたそうで、ファッションを楽しみたいお洒落女子から「使いやすい」と大歓迎を受けているほか、アメリカでは「プレイ中にメガネをかけることのできない、フットボール選手の間でも愛用者が増えている」といった当時の記事が散見する。
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Contact Lenses (1948)
また当時のコンタクトレンズはプラスチック製ではあるが、今のように片手で簡単に装着できるものではなく第三者との協力が必要で、自分の瞼を誰かに持ち上げてもらい、ゴム製のスポイトを使ってレンズをはめ込んでもらう必要があったという。
その光景は、さながら映画『時計じかけのオレンジ』に出てくる人格改造実験シーンのようで、なかなかショッキングな光景だ。
なお、販売価格は1947年当時の値段で10ポンド(約1万円)とのことで、庶民の手にはなかなか届かない超高級品であったという。
(文:穂積昭雪 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)