北朝鮮の代表として、金正恩主席が自ら中国に赴いた事は世界中に衝撃を持って伝えられた。朝鮮半島の非核化について、中国指導部と長時間に渡る話し合いの席を持ったと言われており、米朝首脳会談に向けての対策が話し合われたとみられている。
この金主席の外遊により、すぐさま朝鮮半島に平和が訪れるとは思えないが、解決に向けて大きな一歩を踏み出したのは事実である。
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今回、金主席の中国訪問は飛行機ではなく専用列車が利用された。飛行機による外遊は、爆発物による爆破、ミサイルによる撃墜などを警戒して利用しなかったものと思われる。
今回利用された金主席専用列車には、暗殺に対応した様々な仕掛けが施されている。
前方車両と末尾の車両には誰も乗っておらず、列車をぶつけられることを想定している。車両の窓は銃火器による襲撃に対応する構造になっているという。また、金主席が乗っている車両の前後には、数名のスナイパーが同乗しており、もし暗殺者が忍び寄った場合、すぐさま射殺できる体制を整えている。
列車そのものにも車両の下には、大規模な爆発にも耐えうる鋼鉄の床板がはめ込まれており、線路に仕掛けられた爆弾に対しても対応できると言われている。さらに専用列車の前には、線路際に潜む不審者や線路の上に仕掛けられた爆発物を探索する調査車両が走っている。爆発物を検知する関係上、調査車両と専用車両は50キロという遅いスピードで走っているのだ。
このように北朝鮮が神経質になるのは、以前金正日主席が中国との国境に近い龍川駅で爆発物を仕掛けられた過去があるからだ。幸運にもこのときは30分の違いで専用列車が通過しており、暗殺は未然に防ぐことができた。しかし、この爆発により1500人の死傷者が出ている。
今回の中国との会談により、北朝鮮とアメリカの話し合いが非核化と和平に向けて前進することを期待したい。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)