業界のウワサ

あまりにヤヤコシイ!?落語家・林家九蔵、襲名問題「わけがわからない!」

3月3日、落語家の三遊亭好楽の弟子・三遊亭好の助が5月の真打昇進の際に予定していた「三代目林家九蔵」の襲名を取りやめたことがわかった。

報道によると、昨年12月、三遊亭好の助は真打へ昇進する際に師匠・好楽の前名である「林家九蔵」を襲名することを発表。好の助は5月からの襲名昇進披露興行のための準備を進めていたが、2月に入り九代目・林家正蔵と正蔵の母・海老名香葉子さんから「物言い」がつき、話し合いの結果、断念することになったという。




林家九蔵の名前は好楽が八代目・林家正蔵の門下時代に名乗っていた名前で、好楽は八代目・正蔵が亡くなった後、五代目・三遊亭円楽の門下へ移籍し、改名して三遊亭好楽となっていた。

そのため林家九蔵の名前は、今も三遊亭好楽が所有しており、弟子に自分の前名である林家九蔵を名乗らせようとしていた中での今回の襲名ストップ騒動である。

今回の騒動の焦点は、三遊亭好楽が今は「林家」の門下を抜けて「三遊亭」になっている点、そして八代目・林家正蔵が「林家正蔵」を名乗ることになった経緯の2点である。

実は好楽の師匠である八代目・林家正蔵は本来、林家とは関係のない系譜の落語家であったが、七代目の林家正蔵の名前を管理していた海老名家に「一代限り」の約束で借りたものだった。その証拠に八代目・林家正蔵は亡くなる直前の1981年に海老名家に名前を返上している。

その結果、「八代目・林家正蔵」の弟子のほとんどは「林家」の亭号を名乗っていない。




本騒動の本質は約70年前に発生した「八代目・林家正蔵襲名騒動」を最初に理解しないといけないため、ネットでは「あまりにヤヤコシイ!」「わけがわからない!」と大きな話題になっている。

これは過去、ATLASでもご紹介した「司馬龍鳳問題」と共に余りに複雑な問題であり、2018年の今、「落語の歴史」は改めて大きな注目を浴びているようだ。

(文:玉川談洲楼 ミステリーニュースステーション・ATLAS編集部)

画像©「三遊亭好の助 (@kakkou1982) | Twitter 」より