芝生の上に、白い服を着た一人の老婆が倒れている。
しかし、その背中には肌色をした鳥の翼のようなものが生えているのだ。しかしその翼には柔らかな羽毛はなく、まばらに白いうぶ毛のようなものが生えているだけだ。
こちらの写真はSNSを中心に世界中に広まった、「堕ちた天使」と報じられたもの。イギリスのロンドンから写真付きで広まったもので、老衰や地上の人々の汚れに耐えきれず墜落死してしまったのだ…等と噂されていた。
だが、こちらは当然ながらフェイクでしかなかった。
デイリー・メール紙が2015年7月24日に報じた記事によると、こちらの天使は美術作品。スン・ユアン氏とペン・ユー氏の2人のアーティストによる作品で、彼らは人間の脂肪等を素材として使用し、リアルな表現と現代社会への問題提起を作品に込めて発表するスタイルをとっていることで有名だ。
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Real Life Fallen Angel Has Fallen From The Sky In London(fake or real)
もちろん、あまりにリアルな作品群は物議を醸すこともある。しかし現実と創作の境目にあるような彼らの作品は高い評価も得ている。
写真の作品は中国は北京で発表されたもので、屋外展示されたインスタレーションであった。後に彼らの作品はロンドンのサッチィ美術館でも公開された。
彼らの作品の持つリアリティとメッセージ性が、まるで本物の天使のように見えてしまったため、「墜落した天使」の噂がまことしやかに広まってしまったのではないだろうか。
(加藤史規 山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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