一度も自分が生まれた国を離れた事のない人物が、ある日知らないはずの言語を流暢に操るようになる。そんな不思議な現象は『外国語様アクセント症候群』と呼ばれ、脳卒中または神経学的外傷や障害が起きた際に発生するとされている。また、同時に多発性硬化症を患っている例も報告されている。
アメリカ・アリゾナ州在住の女性ミシェル・マイヤーズさんは、生まれて一度もアメリカを離れたことがないのだが、7年前にひどい頭痛に襲われて寝込んだ翌日から、様々な言語で話すようになったという。
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最初はアイルランド人、次にオーストラリア人。そのアクセントは寝込む度に発症し約1週間続いたという。
たが、2015年に今までで一番重い頭痛に襲われて寝込んでから、彼女は度々ブリティッシュイングリッシュの発音で話すようになったという。
「私は同じ英語圏の外国へ旅行に行ったことはありません。せいぜいメアリー・ポピンズの映画で触れた事があるくらいですから、ネイティブのように話せるはずがないのです」
と、マイヤーズさんはKNXV-TVのインタビューに答えている。
果たして、このような事は実際に起きうるのだろうか。『外国語様アクセント症候群』は非常に珍しい症例であり、顎の手術後にブリティッシュイングリッシュのような発話をするようになったテキサス州の女性のようないくつかのケースを除き、発症する明確な原因は特定されていない。
マイヤーズさんはまた、『エーラス・ダンロス症候群』と呼ばれる状態に苦しんでいるため、これが一時的なアクセントの変化とつながっているのではないかとする見方もある。この症候群は、皮膚、骨、血管および他の多くの器官および組織を支持する結合組織に影響を与える障害とされている。
「私の発音の異常が生理的なものか、心因的なものかはまだ解っていません。なるべく早く原因が突き止められればと願ってやみません」
とマイヤーズさんは締めくくった。
(田中尚 山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像&動画©ABC13 Houston YouTube