先月末より何日か連続で長野県の諏訪湖にて「御神渡り」が観測されたとの発表があった。
諏訪湖の冬の風物詩ともされる「御神渡り」は、昔から神の起こす奇跡と考えられていた。
長野県を代表する神社、諏訪大社。 諏訪湖を挟んで南側に上社本宮と上社前宮、北側に下社秋宮と下社春宮が鎮座しており、本宮を持たない「諏訪造り」という特徴的な構造を持っている。 本宮には出雲の国譲り神話と関係の深い建御名方神、前宮にはその妃八坂刀売神が祀られている。
冬場、凍結した諏訪湖湖面の一部が盛り上がり大きく一直線の道を形作る。これは上社本宮の建御名方神が下社の八坂刀売神の元に通うために凍った湖面を歩いた跡なのだと考えられていた。
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現在では凍結した湖面が夜間により冷やされる事によって凝固し、再凍結することによって起きる自然現象と判明しているが、科学知識のない当時の人々からすれば奇跡としか思えない現象だっただろう。「御神渡り」は諏訪湖の神秘性をより高め、人々の信仰を集めていったと考えられる。
諏訪湖は先月27日から全面結氷し、「御神渡り」が発生するのではないかと期待が高まっていた。そして、1日に判定を司る八劔神社によって認められたのである。
「御神渡り」が確認されたのは2013年以来5季ぶり。 現地からは久々の冬の風物詩を喜ぶ声も上がっている。
(田中尚 山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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