一つ目玉の団十郎は、茨城県総和町に出る妖怪で、一年に一日だけ、12月8日に徘徊すると言われている。
この日、履物を外に出していると、団十郎がやってきて履物に判子を押して歩く。
判子を押されたものは足が重くなってしまい、歩きづらくなるとされていた。
現代では廃れてきている風習であるが、12月8日は「事納め」といい一年の仕事、農作業など様々な雑事を終えて物忌をする日とされていた。この日に妖怪が現れるとする地域も多く、関東の他の地域でも箕借り婆や一つ目小僧などが現れると言われていた。
この一つ目玉の団十郎の害を逃れるには、目のたくさんあるかごを竿にさして家の軒先に立てるとよいと言われた。
団十郎は文字通り一つ目の妖怪なので、目がたくさんある籠を見たら恐れて逃げ出してしまうと言われていたのだ。
(監修:山口敏太郎/田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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