八代亜紀は演歌を歌わせたらピカイチの実力の持ち主だ。また、歌唱力ではなく、絵を描くことにも長けており、多彩な才能の持ち主である。
そんな八代も、過去に心霊体験をしたことがある。
ある仕事で地方に行った八代は、かなり古い旅館に泊まることになった。時間はすでに夜中の12時を超えており、到着して遅い夕飯を食べるとすぐ、付人の女性と同室で眠ることになった。
電気を消して布団に入り寝始めると何やら枕元から聞こえる。
「ペチャクチャペチャクチャ」
どうやら女性がおしゃべりをしてるような声が聞こえるのだ。少々不愉快に思ったが、気にせずにそのまま眠りにつくことにした。しばらくすると、またしても奇妙な音が聞こえ始めた。
「ガリガリ、ガリガリガリガリ」
何かを引っ掻くような音である。よく見ると、その音は天井の方から聞こえる。しばらくすると、さらに大きな音が聞こえた。
「ガガガ、ガガガ」
天井の板を剥がすような音が聞こえた。
(ええっ、何?)
隣に寝ている付き人はどういう状態なんだろうと思って付き人の方を見ると、やはり同じように天井の板の方を見ている。
「ガガガガガー」
ひときわ大きい音が聞こえた。そしてさらに天井板が落ちたような音がした。
「きゃー」
八代を置いて付き人の女性が部屋から逃げ出した。
「ちょっと待ってよ」
たまらず八代も付き人の後追って逃げ出した。
翌日、地元の関係者に昨夜の体験を話すと、こんなことを言われた。
「八代さんか泊まった部屋の上は開かずの間だったんですよ」
旅館にまつわる怪談どうして、アトラスでは過去に何本か記事を掲載している。「円広志が体験した旅館の心霊体験」「彷徨う霊が招く温泉旅館」「中尾彬が見た旅館の幽霊」などが人気のアーカイブだ。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像『夜のつづき』