ATLASでも何度か話題にしているネッシーだが、今回は昭和の時代に掲載された新聞記事からある事件を探っていきたい。
1976年(昭和51年)9月1日の朝日新聞に「まんまと乗せられた!」という見出しで、ネッシーによく似た怪獣が目撃された内容の記事が掲載されていた。
記事には同年8月27日頃、スイス中部のフィアヴァルトシュテッターゼー湖(ルツェルン湖)にドラゴンのような怪獣が現れ、観光客など約40人あまりが目撃するという事件があった。
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SYND 1976 MONSTER SIGHTED IN LAKE LUCERNE
1975年にボストンの研究チームにより撮影されたネッシーの全身と思われる写真が報道されたこともあり、翌年の76年には既にネッシーは世界的に知名度があった。そのことからも「ネス湖のネッシーと同類の怪獣ではないか」との推察が当時世界を駆け巡ったのである。
ところが8月31日、事態は一変した。
なんと、ジュネーブの新聞ラ・スイス紙が「発見された怪獣はテレビ局が作ったニセモノだった!」という衝撃の記事を掲載したのだ。
これは一種の実験番組に於いてのことで、スイスのテレビ局が番組のために怪獣のニセモノを用意。騙される人が何人出るかのテストをしたものを放送する予定だったのである。実験は1か月前から行われ、怪獣のニセモノはプラスチックで製作したものだったのだ。
このニュースが報道されるやいなや、騙された人は(当たり前だが)怒り心頭。番組の放送前に大きな騒ぎとなってしまったという。
ネッシーをはじめとする様々な場所で見られている怪獣の正体については、これまでも「湖上を泳ぐゾウ説」などさまざまな説が囁かれているが、他にも今回のスイスの怪獣騒動と同様に「ネッシーは映画会社の作ったハリボテ説」などがある。
あくまでも都市伝説的な話ではあるが、ネス湖で怪獣映画の撮影をしていた映画会社が怪獣のハリボテをネス湖にそのまま放置してしまった結果、人々の目に触れてしまった事が現在のネッシー伝説に繋がっているとの説があるのだ。
ただし、上記のネッシー作り物説について、世界中の熱心なUMAファンは常に否定的で、本当にネッシーの存在を確信する彼らにとってしばしばねつ造話として紹介されることが多い。しかし、スイス・フィアヴァルトシュテッターゼー湖のケースからもわかるように、このネッシー作り物説も一概に否定出来ないのかもしれない。
(穂積昭雪 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)
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