あの世とこの世の境界「ヨモツヒラサカ」

 『ヨモツヒラサカ』或いは『ヨモツサカ』は、昔からあの世の一つとして紹介されることが多いが、厳密に言うと死後の世界とはいえない。異界と現世の境界に位置する場所である。

 生と死の境界線と言えばわかりやすいだろうか。現代の概念では、現世と『あの世』の境は、三途の川や花園で表現されることが多いが、古代の日本では”坂”が現世と『あの世』の境であったのだ。

 この『ヨモツヒラサカ』は、まだ完全な『あの世』ではないため、魂の緒が完全に切れてしまうまでは、臨死者の意志や周囲の呼びかけにより、現世と行ったり来たりすることが可能である。

 このように一度死にかけた人間の魂は、特殊な儀式をすれば呼び戻す事が出来るとされた。俗に”魂呼び(たまよび)”という儀式である。方法は幾つかあるのだが、一般的なのは井戸の水面に向かって死にかけている人の名前を呼んだり、屋根の上に登って死にかかっている人の名前を呼んだりするものである。

 我々、現代人でも簡単に出来る方法もある。死にかかっている人の耳元で、肉親者や親友が大声でその人の名前を呼ぶことである。そうすれば、魂は現世と『あの世』の境から帰還すると言われているのだ。

(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©PIXABAY




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