ワハハ本舗の柴田理恵は、バラエティー番組から芝居まで幅広く活動している。今でこそ人気者の柴田だが、若手時代は苦労していたという。
これはまだ柴田が、佐藤B作が主宰する「劇団東京ヴォードヴィルショー」に在籍していた頃の話である。
名古屋にある老舗劇場で地方公演をやることになった。佐藤や劇団の幹部はホテルに宿泊したのだが、柴田たち若手劇団員は劇場の楽屋に泊まることになった。大勢の劇団員が雑魚寝する中、柴田は疲れていたこともあって1番最初に布団に潜り込んだ。
しばらくすると、突如全身が金縛りに見舞われた。苦しくてもがいているが周りにいたはずの劇団員は誰もいない。
(どうして誰もいないの?みんなどこにいったの?)
柴田が不思議に思っていると、左側の枕元に誰かがいるような気配がした。
(えっ、誰?)
柴田が視線をゆっくりと左側に向けると、そこにタキシードを身に付けた小柄な男が立っていた。男はジーッと柴田の顔を覗き込んでくる。
しばらく、その小柄な男と睨み合っていたが、その男の姿は消えてしまい柴田もそのまま眠りに落ちた。
翌朝、柴田は他の若手劇団員を捕まえてこういった。
「どうして助けてくれなかったのよ!それにみんなどこに行ってたの?」
他のみんなの話によると、あんまり柴田がうなされるので他のみんなは距離をとって寝ていたと言うのだ。幽霊を見たと言う話は、全員が笑って相手にしてくれなかった。 しかし、伊藤と言う女性の後輩だけはその幽霊を見ていた。
「柴田さんがタキシードを着た男と睨み合っている姿を見ました」
「じゃあなんで助けてくれなかったの?」
柴田の問いに後輩はこう答えた。
「だって私の足元にも、鏡に向かって必死に化粧する女の幽霊がいたんです」
後輩によると、あの大部屋は幽霊だらけであったらしい。
ちなみにワハハ本舗関連の過去記事としては「林家こぶ平のワハハ本舗退団は泰葉のチクリ」などがある。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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