元WBC世界ライト級チャンピオンのガッツ石松、引退後はタレントや役者として引っ張りだこである。
彼にはユニークな逸話がいくつも残されている。いまだに語り継がれている「池袋乱闘事件」では、8人のチンピラをあっという間にノックダウンさせた。弟に絡んだチンピラを公園で次々に倒してしまったのである。当然、現行犯逮捕ということになったのだが、警察署に連行されたガッツはこう証言したといわれている。
「チャンピオンの認定証に、チャンピオンはいかなる場所でもどんな挑戦者の挑戦も受けなければならないと書いてある」
この発言に警察も苦笑せざるを得なかっただろう。その後チャンピオンの認定書は、『チャンピオンはいかなるマッチメイクも受けねばならない』と文章が書き換えられたという。
ガッツはS・スピルバーグ作品にも出演している。映画「太陽の帝国」で日本兵役を演じたのだ。撮影後、マスコミ陣からこんな質問をされた。
「スピルバーグ監督は、どんな人でしたか?」
この質問に対してガッツは大真面目な顔でこう答えた。
「外人だったな」
ガッツの自宅の近くにUFOがやってきた。UFOからは「ガッツ、ガッツ」とうるさく音が聞こえてくる。そこでブチ切れたガッツは2階の窓からものを投げて怒鳴った。
「うるせえ、どっかいけ」
アントニオ猪木とWBA・WBC統一世界ヘビー級王者(当時)のレオン・スピンクスが異種格闘技戦で戦うことになった。特別レフリーを引き受けたガッツは、場外カウントの時にワンからテンまでは良かったが、イレブン以降がどうしても思い出せないため、とっさにこう数え始めた。
「じゅういち、じゅうに、じゅうさん・・・」
なんとも愉快な元世界チャンピオンである。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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