昨年末にアメリカ国防総省が発表した、巨額の予算を投じてのUFO調査は世界中で驚きをもって受け止められた。中には「X-Filesは実在した!?」と称する人もいたほどだった。
そしてペンタゴンは更に、2007年から2012年の間にUFOの目撃情報を調査し予算2200万ドルが投じられた計画「先進航空脅威識別プログラム(AATIP)」が存在していたことを認めた。
このような国や軍によるUFOの公式な調査は1969年のプロジェクト・ブルーブック以来となる。しかし今回の調査では700以上のUFO目撃情報については、正体を解明することができずに終わったとの証言が出てきていた。また、昨年AATIPによって調査された、米軍関係者による正体不明のUFO動画も2本が公開された。
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しかし、イギリスのSunオンラインがアメリカ国防相省の国防情報諜報局(Defense Intelligence Agency)に取材したところ、いくつかの誤解や語弊が生じていたとの証言を得たという。
米国防総省のスポークスマンは、「AATIPの存在は、米国に対する遠隔地からの高度な航空宇宙脅威を評価することだった」と説明し、公開された動画はUFOなどではなかったと証言。しかし一方でペンシルバニア州在住のUFO研究家エリゾンド氏からは、「国防総省は2012年にこのプログラムが終了したと主張しているが、10月まで海軍とCIAの関係者と引き続きUFOに関する調査に協力していく予定である」との証言を得ている。
アメリカのUFO専門家らは、この軍と協力者の間で生じている証言の不一致を、人々をUFO問題から遠ざけようとする政府の思惑によるものかもしれないと主張している。政府や軍はUFOの証拠を掴んでいるが、まだ公開するための準備ができていないか、情報公開を好ましく思っていないので言久を避けているのではないかとしている。
民間のUFO研究チームであるOpen Minds TVのAlejandro Rojas氏は「政府は情報公開することでUFOに関する陰謀論を収束させようとしたのではないだろうか。過去にも何度か同様の公式発表を行った事がある。しかし、様々な証言や証拠が出てきた事から政府の思惑とは違う方向に動いてしまったのではないだろうか」と述べている。
Sun Onlineは現在、国防情報院に対しAATIPに関連する他のUFOファイルやビデオ等の情報を開示するよう要求しているという。
(飯山俊樹 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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