海外で話題にしたら逮捕!?ナチス・ヒトラーのサブカルキャラクター史

 アドルフ・ヒトラーの名を知らぬ読者の方は、いないだろう。第二次世界大戦で、ナチスの指導者としてユダヤ人を大量虐殺した行為は、世界中を震わせた。

2017年、そんなヒトラーを巡って諸外国で、いくつかの事件が起きた。




まず、2月13日に自らヒトラーを名乗り、彼のコスプレをしていた男性が、オーストリア警察に逮捕される事件が発生。続いて、同年8月にはベルリンの連邦議会議事堂前で、ナチス式敬礼ポーズを取った中国人観光客が逮捕された事件などである。

その理由としては、ドイツやオーストリアでは、ナチスやヒトラーを賛美・賞賛していると見做される行為は、民衆扇動罪などに該当し、逮捕の対象になるという法律があるためだ。

さて、ナチスやヒトラーは、そのキャラクター性から、我が国でかつて製作された特撮やアニメ、漫画作品の悪役のモチーフにされた事が多い。

本記事では、ナチス・ヒトラーが題材とされたサブカルキャラクター史を紹介しようと思う。

まず、現在でも新作が作られ続けてる『仮面ライダー』シリーズの第1作で、登場する悪の組織“ショッカー”は、ナチス・ドイツと関わりがあるという設定がある。

それを裏付ける描写として、初期にはナチスの財宝を巡り、仮面ライダーと怪人の攻防戦を描いたエピソードがあったり、ヒトラーを彷彿とさせるコスチュームをしたゾル大佐という幹部が登場した。

だが、もっとストレートにナチス・ヒットラーを前面に押し出したキャラクターが存在している。それは、シリーズ第3作『仮面ライダーX』の第25、26話に登場した怪人“ヒトデヒットラー”その人であろう。

その名の通り、ヒトデとヒットラーを合成しま怪人であり、胸にはハーケンクロイツが刻印され、顔はヒトラーそのものというデザインをしている。

さらに、組織のトップではない1怪人にも関わらず、戦闘員たちは彼の事は「総統」と呼んでいたり、劇中で「吾輩はかつてその残忍さで世界を震え上がらせた地獄の独裁者ヒトラーの化身だ。 口を割らせる方法はいくらでも持っている!」と身も蓋もない台詞を発言するなど、徹底的にヒトラー=悪の総統というイメージで描かれている。

現代のオーストリアやドイツでは、まず放送禁止なキャラクターの筆頭と言えよう。

また、1977年2月28日に放送された特撮番組『バトルホーク』(原作は永井豪先生)の第22話にもヒトラーをモチーフとした“ヒトライヤー”という怪人が登場している。

ただし、こちらはヒトラーの名を冠してる名前の割には、鉄兜を被っていたり、着用してるのも“ナチス将校風”の衣装だったりと、前述のヒトデヒットラーに比べると、描写がマイルドである。

そして、筆者が個人的に大好きである漫画『キン肉マン』に登場する超人ブロッケンJr.は、『週刊少年ジャンプ』連載当時には、両肩にハーケンクロイツの刺青を施し、帽子には髑髏の徽章があるという直接的な表現は無いもののナチス色全開のキャラクターであった。

しかし、1991年に放送されたアニメ『キン肉マン キン肉星王位争奪編』では、彼の刺青や徽章が鷲に差し替えられたり、現在Webで連載されてる『キン肉マン』新シリーズでは、かつて描かれていたハーケンクロイツの刺青は削除されてしまった。

余談ではあるが、日本で発売されたファミコンソフトの『キン肉マン』では、主要キャラクターの1人にブロッケンJr.が登場していたが、外国版では彼が削除され、代わりにジェロニモという別のキャラに差し替えられている。




残念な事であるが、これらは世界情勢の動きに合わせた規制なのであろう。

ヒトラーは、生前の行い故に、“悪の象徴”としては扱いやすい上に、実在の人物だったので、視聴者に与えるインパクトも大きかったので、これらのキャラクターが産まれたのだと思う。

ナチス・ヒトラーをモデルとしたキャラクターが登場しなくなった現代は、彼らをモチーフとしたキャラが何の問題も無く登場していた時代に育っていたアラフォー世代の筆者としては、いささか寂しい。

今後、ドイツやオーストリアに旅行する読者諸氏は、現地人のオタクと話が盛り上がっても、ヒトデヒットラーやブロッケンJr.などの事は、くれぐれも話題にしないよう注意するように!

(サブカルライター 平山賢司 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像『バトルホーク DVD-BOX

 

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