冬の妖怪と言えば、多くの人が思い浮かべるのが雪女だろう。
だが、現在の東京都青梅市に出たとされる「雪座頭」は雪女の一種であるが少し変わっており、尼僧の姿をしているという。
普通座頭とは男性に対して用いられる呼称であるが、かつて青梅では頭を丸めた人物を全て「座頭」と呼んでいたため、この名前が付けられたものと考えられている。
ある村の人妻に夢中になった僧侶が、寺の過去帳などを全て焼き払い、その人妻と駆け落ちしてしまった。それから数十年後の冬の日に、村に一人の尼僧姿の女性が訪ねてきた。彼女曰く、自分は数十年前に僧侶と村を出たあの人妻であるという。たまたま多忙な時期であったことなどもあって、さほど相手ができずにいた。
いつしか彼女の姿はかき消すように無くなっていたため、あれは雪座頭だったのではないかと人々は噂しあったという。
(監修:山口敏太郎/田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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