最近の幽霊はネットの中にも潜んでいるようだ)。アトラスでも紹介したが、話していた相手が幽霊だったというケースなどの証言が多々ある。
今回報告するのは過去に山口敏太郎が証言を聞いたサイバーゴーストの一例だ。
山口敏太郎の知人でインターネット技術者のOさんという人物がいる。奥さんと子供二人を抱え、真面目に日々働く、良いお父さんである。
以前からOさんはパソコン回線に霊がいると主張して憚(はばか)らなかった。
「山口さん、本当なんだ。噂にあるパソコン回線を移動する霊は存在するんだよ」
「まさか、他の人にもいろいろ聞いたけど、あれは単なる噂でしょ」
「いや、本当なんだ。僕は何度も見ている」
「見てる?どうやって出てくるの?」
「ネット回線を移動し、こちらに霊体が出てくるんだ」
Oさんは額に汗を浮かばせながら続けた。
彼はパソコンのセッティングサービスや、出張修理、パソコンの個人指導を行う業務に従事していた。大概はパソコン初心者の方や、ご老人の家庭でインターネットの接続をしてあげる仕事がほとんどであった。それら個人の顧客以外にも、数十社の法人の顧客も持っており、簡単なRAN設定やサーバ設定なども仕事の範囲にしていた。
そんな多忙なOさんにとって、時々不可解な事があったという。
アクセス環境も配線も何も問題ないのに、インターネットに接続できない事があるらしいのだ。原因はわからない。結局繋がるのだが、どうも納得がいかない事があるというのだ。
「つまり、何かネット自体に意志があるというのか、パソコンに意志があるというのか、奇妙な違和感を感じる事が以前からあったんです」
「パソコンやネットに意志を感じるって、またまたよく言うよ~」
「本当なんだ。僕は疲れているわけじゃない」
そんなOさんは、最近経験した奇妙な事件を説明した。
ある夜の事、Web技術者が集まって単にボヤくというコンセプトのサイトにOさんは遊びに行っていた。そして、仲間うちで、チャットをしていた時の事、突如画面が歪み始めてしまったのだ。
果たして、彼らのもとに何が訪れたのか。衝撃体験の詳細は次回に譲る。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像『アンフレンデッド [Blu-ray]』より