本誌ATLASでも紹介したが、笑点で有名な落語家の桂歌丸師匠や俳優の伊東四朗などは度々、訃報がニュースとして流れてしまう。本人はいたって元気なのだが、定期的の訃報がネットを駆け巡るのだ。
ニュースにおける死亡記事の誤報、その歴史は意外にも古い。それは「赤い靴」「シャボン玉」「青い目の人形」などで知られる詩人で作詞家の野口雨情の死亡ニュースであった。
このニュースは瞬く間に日本中に広がり、マスコミ関係者や文化人の間でも動揺が走った。
小樽の新聞社で同僚だった友人の石川啄木は衝撃を受け「悲しき思出」という追悼文を書きかけたが、書いている途中で誤報と判明したので、慌てて執筆を止めたという珍事があった。
ネット時代になっても誤報は無くならない。
山口瓶太郎事務所