なんのために存在しているのかわからない意味不明なもの。それが都市伝説として様々な憶測を生みながら広まっていく事がある。
1980年代から90年代後半にかけてのアメリカでも、意味不明な広告が非常に大きな注目を集めた事例があった。それは、ロサンゼルスのビルの上に突如出現した「アンジェリンの看板」と呼ばれるビルボード、すなわち広告看板である。
上に掲げた画像が「アンジェリンの看板」だが、ご覧のようにセクシーな女性の絵と「Angelyne」の文字、そして下の方に小さく電話番号が書かれているだけの意味不明な広告看板なのだ。
関連動画
Offbeat L.A. Meets Billboard Queen Angelyne
これではいったい何を告知しているのか皆目見当がつかない。ビル看板の中にはそのビルに入っている会社名を表示しただけのものなどもあるが、この看板が設置されたビルには「Angelyne」などという会社は存在していない。視点を広げ、付近を見てみても「Angelyne」という名の会社や店があるわけでもない。
この地域で暮らす人々は不思議な思いをしながら、ただ看板を見つめるしかなかった。あまりに広告の依頼がないので、ビルの持ち主が酔狂で自分の好みのタイプの女性を描かせ掲示したものではないか、そんな憶測も呼んだが、どうもこれも違った。
なぜなら、ロサンゼルスのいたるところで「アンジェリンの看板」が設置されるようになったからだ。すると今度は看板が設置が設置された付近に「ANGELIN」という名のストリップクラブのチェーン店でもできるのではないかという憶測ものぼったが、そんなチェーン店はありもしないし造られることもなかった。
この謎を解明出来る見込みがあるのは、この看板の唯一の意図であると思われる電話をかけてみることだけであった。
電話をかけてみると、自動音声が流れアンジェリンという女性のファンクラブが存在し費用は年20ドルであることが案内されるだけだった。そして、電話をかけた人も、受話器を置いてこう口に出してみるしかない。
「アンジェリンっていったい何者だ?」
謎は解明されないまま、アンジェリンの看板はロサンゼルスだけでなく、ニューヨークやワシントンD.C.など他の大都市圏でも見られるようになった。
そしてこの謎は拡大していくのだが、また次回以降に譲ろう。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 動画 ©Offbeat L.A. YouTube