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恐怖一族の伝説は創作!?殺人ファミリー「ソーニー・ビーン」の謎に迫る!

洞窟に潜み、近親相姦を繰り返して300人以上を殺害し、強盗や食人行為を行っていたとされる伝説的な殺人鬼ソーニー・ビーンとその一族。

彼の一族に関する逸話は18~19世紀にかけて存在した道徳本『ザ・ニューゲート・カレンダー』に掲載されたものが広く出回っており、これを参考に紹介されることが多い。




ビーン一族を取り上げた書籍は1843年に刊行されたジョン・ニコルソンによる著書が初出とされている。この本の記述がドロシー・セイヤーズによる「発見、謎、恐怖の短編小説」(Gollancz、1928年)に掲載され、英国でベストセラーになったことで一気に広まったと見られている。

だが、2005年のショーン・トーマスによる研究では、ソーニー・ビーンが活発に活動していた時代の新聞や日記などの歴史的文献を調べてみても、何百人もの人々が絶え間なく失踪しているにも関わらず誰も事件に言及していないという結論が出てきている。

では、彼の一族の犯行はどのようにして生まれたのか。

ソーニー・ビーンの伝説は、15世紀初めにはじめて証明されたクリスティー・クリークの物語によく似ているという指摘がある。その話を元に、反乱を起こしたスコットランドを非難するため政治的プロパガンダとして作られたのではないかと考えられている。




また、歴史家であるナサニエル・クローチが1696年に出した著書『リチャード・バートン』には、ジェームズ2世が死ぬ1年前である1459年に起きたショッキングな事件が記載されている。それによると、ある泥棒が妻と子供たちと共に、貴族の敷地内に入り込んで密かに暮らしていた。彼らは人を襲い食人行為すら行っていたとされており、捕まった際も彼らの子供は悪びれることなく「人肉の味がどれだけ美味しいものか知っていたら、あなた達も食べるのを止めなかっただろう」と述べたという。

これらの事件と政治的なプロパガンダから生まれたものが食人一家ソーニー・ビーンとその一族の伝説だったのではないかと見られている。

(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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