一昨日に伊東市で発生した四歳児の行方不明事件。幸いにも子供は無事に保護され、家族も安堵しているようだ。
「天狗様も無事に子供を返してくれた。ありがたいことだ」という話をする妖怪マニアもいたが、まさか今時天狗様でもあるまい。
この話を聞いて思い出すのは伊東市にある佛現寺の『天狗の侘び証文』である。
今から三百数十年前、柏峠付近に天狗が姿を現し、峠をゆく人に様々な悪さをした。この難儀を解決すべく佛現寺の日安上人は、天狗が住むという峠に出かけた。
7日に渡り、松の下で読経する日安上人の前に天狗は降参、天狗文字で書かれた侘び証文を置いていったという。
この侘び証文、今でも仏現寺に残されているが、全く解読出来ない。ハングル文字の崩したものだとか、日安上人が自分で書いた文字だとか、神代文字の一種だと言われているが、詳しいことはわからない。
ちなみに土産物として天狗の侘び証文羊羹が売られており、なかなか楽しい。
(山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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