ヨコロは愛媛県菊間町に昭和初期まで出たとされる妖怪。
松並木の中に潜み、音もなく近寄っては通りがかる子供達に近づき、足に吸い付いてきたという。これに吸い付かれると体が痺れ、足がだるくなって動けなくなってしまうそうだ。
ヨコロはさほど大きくなく、また陽炎のようで体もはっきりしないが、丸くて白っぽい姿なのだそうだ。ヨコロは明るい場所や子供達の家の近くに来る時得るそうで、これに襲われた子供達は必死で明かりのある場所まで逃げたという。
足に絡んできて人を歩きにくくさせる妖怪といえば、「すねこすり」や「足まがり」などがあるが、この妖怪は比較的最近の昭和初期まで「出た」という話が残っている。
昭和初期ともなれば、今ほど街灯が立っていたりして夜の道が明るいモノでもなかったため、夜のお使いに出なければならない子供達の恐怖心は現代より遥かに強かったろうと考えられる。そんな子供達の恐怖心から生まれた妖怪がこのヨコロだったのではないだろうか。
(加藤史紀 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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