もっとも原始的な生物 約6億年前の古代生物の生態に迫る

古代に生きていた生物の生態を知ることは難しいとされている。化石になってしまっているため、保存状態や質の良い化石でないと本当に生きていた時の様子が解りづらいためだ。それが小さかったり、下等な生物であると尚更だ。

ディッキンソニアは約6億年前の先カンブリア時代エディアカラ紀に海底に住んでいた数ミリメートルからおよそ0.5メートルの大きさの生物だ。この生物は1947年に発見され真菌、苔、虫、およびクラゲの仲間ではないかとする説が出ていたが、これまでずっと生態は謎のままだった。

だがこの度研究の結果、ディッキンソニアは這って移動する最も初期の生物の1つであるということが判明したという。

オックスフォード、ケンブリッジ、ブリストル大学の研究者らが行った研究では、ディッキンソニアが植物や真菌に対抗する動物である可能性が最も高いと判断した。

この研究では、生き物の身体の長さを測定し、他の標本と比較して時間の経過とともに成長率を決定する「単位」を分析することが含まれていました。

「これらの成長データと、ディッキンソニアがどのように動いていたか、そして形態学的特徴のいくつかを以前の研究で得られた情報と組み合わせると、従来から考えられていた非動物的な可能性が外れる事になる」とオックスフォード大学数学研究所のルネ・ホエケマ博士は語った。




また「これはEdiacaran生物種のメンバーが証拠に基づいて動物として同定された最初の例になる」とも語る。

これらの研究の結果、今まで謎に満ちていた古代の海の様子が少しずつ明らかになっていくのかもしれない。

(加藤史規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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