古い紙に、文字列がインクで書かれているが、いずれもアルファベットに似ているが違う所も多く、何が書いてあるのか解らない。
この紙は17世紀にイタリアのシチリアにいた尼僧が、悪魔であるルシファーと交わしていたとされていた手紙なのだ。これまで何が書かれているか不明となっていたが、この度翻訳に成功。文面が解読できたというのだ。
この手紙は、1676年にパルマ・ディ・モンテチアロ修道院のマリア・クロフィフィッサ・デッラ・コンツェツィオーネによって書かれたもので、サタンが彼女に乗り移って手を動かし、書かれたとするもの。
手紙を発見したのは同じ修道院の修道女イサベラ・トマシで、ある朝彼女は不思議な手紙を持っていたマリアら姉妹を発見。悪魔に憑かれているのではないかと思い、彼女に紙にメッセージを書くように言った所、不可解な文字による文章が書き出されていったのだった。
この手紙の文章は何らかの意味合いが含まれている文章にも見えるが、多くの人が何年にもわたって解読しようと試みたにも関わらず誰も文章の内容を理解できず、解読に成功した人物は一人も現れなかった。
そして現在、イタリアのコンピュータ科学者らが複数のソフトウェアを使って文章を解読してみたところ、神やイエスを「死者の重み」と表現する悪意のあるメッセージが存在していたことを発見した。
シチリアのカターニアのルダム科学センター(Ludum Science Center)のディレクター、ダニエレ・アバテ氏は(The Danielle Abate)は、次のように語る。
「我々は古代ギリシア語、アラビア語、ラテン語、ヤジディ語等の言語を読み込ませたソフトウェアを用い、文章の一部を解析したところ、形状こそ違うものの『悪魔』等のキーワードが出てくることを見つけました。マリア姉妹は修道院にいる間、何年にもわたって様々な文献に触れた結果言語学に熟達。彼女らは文字こそ自分たちで考案したものを用いていたが、単語は既存のものを用いていたのです」
この事実が判明してから、研究グループは手紙の15行の翻訳に成功。人間、神と悪魔の関係について述べられていたことなどを発見した。
しかし、手紙の文章は完全に一貫した内容で理解できるものではないとも判明している。マリア姉妹は統合失調症や双極性障害に苦しんでおり、思考の混乱が一貫性のない手紙の文章を産んだのではないかとみられている。
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‘Devil’s letter’ written by 17th century possessed nun finally decoded
(加藤史規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)