ある深夜、最終電車に於ける奇怪な実話を語りたい。
線路伝いに電車のあとを懸命に走ってくる。
「一体なんだ、酔っ払いか!なんだ奴は?」
それにしても電車を追いかけるそのスピードといったらば只事ではない。Jさんは食い入るように男の姿を見た。
そのうち男の腕が・・・もげた。そして足、胴体、首、と次々に線路の上でバラバラになっていったのだ。
「な、なんだ。あれは」
自分の体の中から血の気が引いていくのがわかる。すると隣に立っていた見知らぬ老人が話しかけてきた。
「ほう、あんたにも見えるかね。あれは自殺者の霊、何度でも轢いてくれと電車を追いかけとるんだよ」
(山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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