サブリミナルという言葉がある。
連続する映像に、認識できないほど短い時間で無関係な映像を紛れ込ませ、ある一定の情報を見る者に刷り込む行為である。
都市伝説としては、映画館でコーラとポッポコーンのサブリミナル映像を混ぜて放映したところ、コーラとポップコーンの売り上げが飛躍的に伸びたという話がよく聞かれる。だが、この逸話は単なる作り話であることがわかっている。
果たして、サブリミナルとはどの程度効果のあるものであろうか。
オウム真理教事件のとき、アニメ「シティハンター」の映像に、麻原容疑者の映像が紛れ込んでいたことは有名である。具体的に言うと「シティハンター3」の放映時に、関係の無いシーンで一瞬だけオウム真理教の当時代表であった麻原彰晃の顔が挿入されていたのだ。スタッフに紛れ込んだ在家信者による、日本国民へのサブリミナル戦略ではないかと言われたが、実際はスタッフのお遊びであったらしい。
このサブリミナルは、商品販売や政治的情報操作などにも使用されているといわれている。特にスポーツ選手などはサブリミナルを応用し、自分に勝ちパターンを刷り込むなど戦略的に行っていると言われている。またフランスのミッテラン大統領も選挙にサブリミナルを利用したと噂されているが真偽は定かではない。
近年では、TBSが731部隊(石井細菌部隊)の映像を流す歳に、何気なく安部普三のポスターを写すなど、非難を受けるサブリミナル?映像づくりをやっていると噂された。これまた、悪意がなかったと説明されたが・・・。
なお企業がマーケティング戦略の一環として、このサブリミナルを利用しているとも言われている。例えば、とあるコンビニチェーンは、地面と同じ高さの入り口しか創らないし、外からは必ず本や雑誌を立ち読みする人が見えるようにするなどその設計にはこだわりがある。いずれも利用者が無意識に入りたくなるための戦略である。また、店内も必ず売りたい商品を視線の位置の棚に並べるなど、その考えは徹底している。
また、食料品メーカーも消費者の心に訴える戦略をとっていると噂されている。例えば、コカコーラのボトルは女性のボディラインを意識して作られていると言われ、近年ファンタのボトルが設計変更されたときも、同様の指摘が行われた。
サブリミナルは、使いようによっては魅力的なテクニックだが、間違った使われた方をする場合もある。だが、サブミリナルの効果を疑問視する声もあり、まだまだ不確定要素は多い。あくまで、噂の範疇でしかない。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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