古代ギリシアの哲学者プラトンが著書に記した伝説の大陸・アトランティス。大西洋に存在し、優れた技術力を有していたものの人々が堕落したため、神の怒りに触れて一夜にして海の中へ沈んだとされている。
現在ではアトランティス大陸の伝説はプラトンが当時の伝説を元に考え出した寓話とされているが、一方で存在を示すような痕跡が大西洋て発見されているため、実在を信じる人も存在している。
1998年と2007年、最新の衛星と飛行機画像を用いて、考古学者ウィリアム・ドナートはマイケル・パテマンとソナー・スキャニング技術者のチームと共に、驚くべき発見をした。大西洋にある通称ビミニ・ロードと言われている壁状の改訂地形に沿って、連なった大きな石組みらしきものが確認され、古代の港の一部であったかもしれないとされたのだ。
ターゲット1のソナー画像では、約40メートルの水中で、ユカタン半島に見られるもと同様の遺構が確認できるという。問題の遺構はメキシコに存在するチチェン・イツァ遺跡との類似が見られ、サイドスキャンソナーを導入したところ、階段、出入口、柱などの一連の建物の完全な正面ファサードが確認できたという。
この画像を見た人の中には、これらがマヤ時代の都市遺跡であり、アトランティスがなかったことを示唆していると考える人がいるかもしれない。だが、これらの遺跡は水深約91メートルを超える場所に存在しており、最後の氷河期(更新世)が終わった時期の海面の高さに当てはまるという。その後海面上昇や地殻変動が起きて、現在の地形になるのだが、この頃に起きた変動がプラトンが記したアトランティス大陸破壊の記述と非常に似ているというのだ。
ウィリアム・ドナートらは、さらなる調査ができれば更に詳細が解ると思われるが、資金調達の問題と水中スキャニング装置を使用する際に高額な費用が発生するため、またフォローアップダイビングは実施されていないと語る。
追跡調査を行うことで、アトランティス大陸の謎が明らかになる日が来るのだろうか。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)