今年3月頃に、アメリカのコロラド州デンバーで衝撃的なUFO動画が撮影された。
動画では夜空に浮遊する黒いピラミッド状の物体が捉えられている。側面はライト等は無いが、底面は青白く光り幾何学的な模様を描いている事が解る。
やがてピラミッド型のUFOがゆっくりと回転を始めると、頂点から青白い光が空に照射されていく。光はタイル上になってUFOの10メートルほど上に停滞。光のタイルは次々と空に並び、大きなひし形を形作る。そしてピラミッド型UFOは浮上を開始、空に現れた光のひし形の中に入り込んでいく。UFOが完全に中に入るとひし形は小さくなり、やがて消えてしまうのだ。
この動画はFacebookのページ「I’m From Denver」に掲載され、コロラド州南部で確認されたUFOの一部始終を捉えたものとされている。これが実際の映像であったならば、一二を争う衝撃動画なのは間違いない。そのため動画投稿サイト等では公開当初よりかなりの再生回数を誇る人気動画となっていた。
しかし、この動画は現在はCG技術を使って作られた偽物である可能性が高いとされている。
ファクト・チェック・ウェブサイトSnopes.comが調査したところによれば、この動画はコロラド州南部のどこで映像が撮影されたのかが正確に解らなかったため、現地の当局に実際に連絡。住人が夜にUFOを見たという通報が無かったか確認してみたのだが、今のところ通報も心当たりのある証言もなく、またアメリカでも有数のUFO目撃多発地帯であるコロラド州南部の(San Luis Valley)でも、問題の動画と一致する目撃証言はなかったという。
また、そもそもこの動画はコロラド州からも発信された訳ではなく、今年3月にメキシコから出てきたものであり、現地のタブロイド紙で既に報道されていたものだったという。
しかも、この動画に興味を持った人物が動画を解析し、Adobe After Effectsを使えば動画を再現することが可能であるということを突き止めてしまったのである。
ちなみにこの動画はソフトの扱いに慣れた人物が2人もいれば、1日足らずで再現できるという。また、場所やCGであることが解らないように細工した跡も確認できるとのこと。
既に発信国では解析が進んでフェイクと判明していたものが、時間をおいて別の地域で公開された事で何も知らない人たちが信じ込んでしまう事となったのだろう。
ただし、派手な動画であることは間違いないので、もしかしたら日本でも夏場のオカルト特番で「本物のUFO動画」として紹介されてしまうかもしれない。
(飯山俊樹 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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