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奇妙な泣き声、虫の妖怪「祢々(ねね)」を切った大太刀「祢々切丸」

 栃木日光の二荒山神社には国宝や重要文化財に指定されている刀剣が100本保管されている。

 その中にひときわ大きく、異彩を放つ大太刀が存在する。それが「山金造波文蛭巻大太刀(やまがねづくりはもんひるまきのおおだち)」、別名「祢々切丸」だ。

 作者不明、室町時代に鍛造されたもので、全長3.4メートル、刃渡り2.2メートル、重量22.5キロという人が振るうには大きすぎる代物だ。実際、この刀が何者かに寄って振るわれた記録はない。だが、この刀にはひとりでに鞘から抜けだして妖怪を斬り殺したという伝説があるのだ。




 この伝説に出てくる妖怪が「ねね」である。

 昔、日光の某山に「ネーネー」という奇妙な泣き声をあげる虫の妖怪「ねね」が現れ、近隣の住民に危害を加えていた。為す術もなく民衆は悲嘆にくれていたが、ある時この刀がひとりでに動き始め、鞘から抜け出て神社の拝殿よりねねの住む山へ飛んでいき、どこまでも追いかけて最後には二荒山神社の境内に追い詰めて仕留めたという。

 このねねの姿には諸説あり、記述通り虫の妖怪とする説、河童とする説、「鵺」が訛って「ねね」になった説、自然災害を妖怪に例えた説などがある。

(山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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