『マンドラゴラ』は、精力剤であり、媚薬であり、一説には不老不死の薬の原料になりうると言われている奇妙な植物だ。食べた者には幻覚が見えたり、幻聴が聞こえたりするとも言われており、劇薬のように扱われた。ヨーロッパの民話にはよく登場する有名な存在であり、魔法使いだけではなく一般市民にもよく知られている。
基本的に森の奥の太陽の光がささないような場所の自生するとされている。また、死刑囚が絞首刑になった場所に生えるという説も唱えられている。
魔術や錬金術の原料として、魔術書や錬金術本にも頻繁に登場し、『マンドラゴラ』と言われる怪しい植物が高価で売買された歴史 もある。その形状は変わっており、根茎が幾枝にも分かれ、個体によっては人型に似ており、ある説や文献によると男の『マンドラゴラ』と、女の『マンドラゴラ』の二種類があるとされている。
また『マンドラゴラ』は完全に熟すると地面から自力で這い出し歩きまわる。さらに、この植物を収穫するときに、無理に引き抜こうとすると人間のような甲高い悲鳴をあげるとされており、その声を聴いた者は精神のバランスを崩し死んでしまう。そこで自分の耳には耳栓をして、馬や豚、犬の体にゆわいつけたロープで引きぬくと、動物が死んでも自分は無事に収穫が出来るとされた。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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