永遠の眠りを妨げる者に襲いかかる死者『ミイラ男』

 ホラー映画やホラー小説でよく取り上げられる妖怪に「ミイラ男」がある。

 エジプトが舞台の作品に登場することが多く、埋葬されている死者が不謹慎な発掘者や、埋蔵金や財宝を狙う墓泥棒をこらしめることもある。その姿は埋葬されている『ミイラ』そのものであり、全身に包帯のように布が巻かれて、ホコリを立てながらヨタヨタと歩き、生者を襲いかかる。




 この『ミイラ』はなかなかやっかいな存在であり、すで死んでいるのでナイフや銃で攻撃してもまったくきかない。唯一苦手なのは、聖水でありかけるひるいことが多い。また、火による攻撃も乾燥しているのでかなりいやがる。

 このように『ミイラ』が人間に襲いかかるような巨悪なイメージが出来たのは「ツタンカーメンの呪い」の噂に寄る影響が大きい。発掘にかかわった人物が続々と死を遂げたり、不幸に陥ったため、「ツタンカーメンの怒りに触れたからだ」と噂されるようになった所から、『ミイラ』が恐ろしいものだと認識されるようになったのだ。




 しかし、実際にはエジプト本国には所謂『ミイラ』のような妖怪は存在しておらず、むしろミイラを安置している墓に立ち行ったり荒らしたりすると祟りがあると考えられていた。そのため、『ミイラ』という妖怪そのものは創作から生まれた妖怪と考えるのがいいだろう。

 なお、『ミイラ』映画のルーツは、ボリス・カーロフ主演の『ミイラ再生』(1932年)がルーツと言われているが、我が国では1961年に日本テレビで放送されたテレビ映画『恐怖のミイラ』であるとされている。ちなみに人気映画『ハムナプトラ』の原題は”The Mummy(ザ・マミー)”であった。

(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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