弘法大師に退治された登山者を襲う妖怪「アキュラセツ」

アキュラセツは富山県立山に出るという妖怪である。

立山の一の岩を見下ろす所に獅子ヶ鼻岩という立岩がある。昔、ここにアキュラセツという名の妖怪が住んでいたという。

アキュラセツは悪さをしては登山者達を困らせていたため、この地を旅していた弘法大師が七日七夜護摩を焚き、祈願した。そしてついにアキュラセツは弘法大師の功徳に降参しこの地を去った。こうして登山者たちの安全は確保されたのだという。




アキュラセツとは変わった名前であるが、恐らく「悪鬼羅刹」がなまったものではないかと考えられる。

悪鬼は人に悪さをする化け物、羅刹は足が早く力も強く、人を騙し食うという化け物のことであり、いずれも仏教に出てくる魔物である。

立山は山岳信仰と修験道の舞台でもあったので、仏の功徳を広め伝えるために仏法の敵が出てきたが退治された、という伝説が生まれたのではないだろうか。

(山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)




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