自殺を誘う女神が住むマヤ文明「死の世界」

 中米、特にメキシコ人にとって”死”とは、暗いものや悲しいものという概念は無い。

 むしろ雑貨や日常品に髑髏をデザインし、積極的に死を楽しんでいる雰囲気があるし、まるで死者がこの世界での生活を継続しているかの如く錯覚しようにもある。このような独特の死生観が発達した背景には、彼らの先祖が創り上げたマヤ・アステカの死生観の影響もあると思えるのだ。




 マヤ文明は、アジアから渡ってきたモンゴロイドが構築した文明であり、紀元前1000年から16世紀にかけて繁栄したが、スペイン人の強奪と欧州から持ち込まれた病気によって滅びてしまった。複数の都市国家が乱立したが、それぞれが別個に栄枯盛衰し、統一国家は最期まで発生しなかった。

 マヤ人にとって『あの世』とは、冥界の最深部にある『ミトナル』であり、死の神『アフフチ』によって統治されている。別名『ユム・シミル』『フン・シミル』と呼ばれ、巨大な髑髏で表現される。また、死期の迫った人間は、この神によって死者の世界に招かれてしまうという。

 さらに、死の神『アフフチ』と対極的な存在なのが『イシュタム』であり、この死の女神は、別名『イシュ・タブ』とも呼ばれる。信じがたいことだが、この女神は”首吊り死体”というビジュアルであり、聖職者、生贄、戦死者、首吊り自殺者を天国まで連れていく役割を持っている。

 ゆえに、マヤ人の死生観の中には、首を吊って死んだ者は、女神『イシュタム』の導きによって楽園へ行けるという考えがあった。




 なお、マヤにおける基本的な哲学・宗教学は日本人と似ており、人間もあくまで自然の中の一部であり、自然は延々と循環しており、死んだら自然に還るという概念であった。ゆえにマヤ暦に終わりなどない。

 一番目の太陽の時代から始まって、2012年に五番目の太陽の時代が終わったが、再び一番目の太陽の時代が始まるのだ。2012年に人類は滅亡する言い張ったオカルト雑誌や妄信作家の言葉を信じてはいけない。

(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©PIXABAY

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