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天帝に生み出され、成敗された巨人【撲父】

 撲父は中国神話に登場する巨人である。太古の昔に洪水の工事に携わったとされている。

 彼の体は非常に大きく、身長も腰周りも千里(約4000Km)あったという。




 まだ天地が出来たばかりの頃の事、地上は洪水が続いていて全てが水や泥に覆われていた。そこで、天帝は巨人の撲父とその妻を地上に送り、治水工事を行わせて地上の水や泥を引かせ、この洪水をおさめようとした。いつまで経っても地上の洪水は収まらない。

それもそのはず、撲父ら巨人の夫婦は非常に怠け者で、いい加減な仕事ばかりしていたのである。

 この事実を知って怒った天帝は、二人に罰を与えることにした。撲父と妻を素裸にすると、何を飲むことも口にすることも全てを近似、世界の東南の隅に永遠に立ち続けるという罰を与えたという。




 洪水に関連した神話で有名なものは聖書にあるノアの箱船伝説だが、中国には他にも前述の撲父にまつわる神話のように洪水と夫婦が出てくる神話がある。チワン族の神話では、大洪水の後に伏羲と女媧という兄妹が生き残り、彼らの子孫が増えて今の人間になったとされている。

(山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)