「向島百花園」は四季を通じ様々な草花を楽しめる美しい庭園だ。
隅田川七福神の「福禄寿尊」が祭られ、同時に隅田川七福神の発祥の地でもある。
百花園は文化元年(1804年)、日本橋で骨董商として財をなした佐原鞠塢という商人が造園した。
時は正に「文化・文政」すなわち江戸町人文化が花開いたこの時代、百花園は文人墨客の集まる一流のサロンであった。
ある日、風流を好むサロンの客人達は鞠塢が元々持っていた「福禄寿の像」で、何か面白いことが出来ないかと思案する。そこで近所の寺社を調べてみると、七福神の残り6柱を祭っている場所を見つけ(後述)、めでたく「隅田川七福神」ユニット結成となったのである。
もっとも、厳密に言うと寿老人のみご本人(ご本神?)が見つからなかった為、良く似たお姿の白鬚明神がピンチヒッターとして代役している。
この江戸っ子ならではのおちゃめな洒落っ気が実に面白いではないか。
「隅田川七福神」を巡ると粋なセンスが磨かれるかも知れない?!
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)
画像『向島百花園 200年の歴史、江戸の花園 (都立9庭園ガイドブック) 』表紙より