14世紀から15世紀にかけて、イギリスから巡礼の旅に出かけ、アジア・アフリカを周り34年かけて再びイギリスに帰ってきた人物に、ジョン・マンデヴィル卿という人物がいる。
彼はその長い旅の間に見聞きしたものを、帰国してから『東方旅行記』という書物にした。この中に、とある島で見た巨人の話が記されている。
「その島に住む人々は8.5メートルもの背丈があり、獣の皮を身につけて生肉(特に人肉)を食べ、牛乳を飲む。その島の向こうには15メートルとも23メートルともいう更に大きな人間がおり、そこで飼われている羊も大きい…」
しかし、じつはこのジョン・マンデヴィル卿は架空の人物だったとされているのだ。
マンデヴィル卿(というか、著者)がキリスト教の聖地エルサレムへ巡礼したことは事実であろうが、残りのアジアやアフリカ諸国の記述は当時出版されていた様々な諸国紀行を切り貼りして再編集したものだと見られているのだ。
(加藤文規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)